マイホーム購入で考えておきたい資金計画のポイント 2022.4.7
マイホームの購入は、人生の中で大きな買い物と昔からいわれているくらい、高額な資金が必要となるため、誰もが慎重に検討しておきたいところ。
そして、マイホームの購入を検討する中で最も重要になってくるのが、資金計画です。
「どのくらいのお金が必要になりそうなのか」
「自分たちの準備は万全なのか、将来の暮らしは大丈夫なのか」
マイホームの購入における不安を少しでも解消できるように、今回は資金計画のポイントを解説していきます。
知っておきたい住宅の4タイプ
マイホームの資金計画を考える前に、資金の元になる住宅の4タイプについて知っておかなくてはいけません。4タイプとは、戸建て・マンション・新築・中古です。それぞれの住宅タイプにはメリット・デメリットがあります。また、タイプによって理想の暮らし方や、必要な資金も変わってきます。
漠然と「マイホームがほしい」でスタートしては、意味のある資金計画を立てることができません。まず、あなたがほしいと考えるタイプを明確にしておきましょう。
住宅タイプ1.一戸建て
住宅タイプの中で、多くの方の憧れでもあるのが一戸建てです。特に一戸建ての中でも建て売りではなく注文住宅なら、外観や内装、間取りなどに関して自由度が高くなるため、家族の希望も叶えやすくなります。■メリット
- 自分の土地(敷地)の中を自由に活用できる
- 将来、建て替えも、リフォーム、リノベーションも自由にできる
- プライバシーを守りやすい
- 一般的にはマンションと比較すると延べ面積が広い
- ペットを飼ってもOK
- 防音設備さえ整えれば、ピアノやギターなど楽器を演奏することもできる
- 趣味のガレージや、トレーニングルームも持てる
- マンションと違って、管理費、修繕費の積立金、駐車場の費用、駐輪場の費用などが不要
- 太陽光パネルなどの設置も自由にできる
■デメリット
- 便利の良い立地では購入費用が高くなる
- 郊外での物件が多い
- 敷地内の掃除や修繕などは自分で行う手間がある
- 10年から15年サイクルで外壁・屋根などの修繕工事が必要
住宅タイプ2.マンション
マンションは、一戸建てにない魅力を持っています。特に魅力的なのが利便性。多くのマンションは、駅から近い場所にあります。また、防犯システムが完備されていることが多いため、自分たちの手間なく安全安心を手に入れることができます。
■メリット
- 高い利便性が期待できる
- 建物の管理は専門の会社へ任せられる
- 防犯設備の充実が期待できる
- 間取りがシンプルなので掃除しやすい
- エレベーターが設置されていることが多いため、移動が楽になる
■デメリット
- 完全に自由なリフォームは難しい
- 上下左右の住民への配慮が必要
- ペットを飼う場合の制限がある
- 管理費や修繕費の積み立てが必要
住宅タイプ3.新築
一戸建て、マンション、どちらにも新築の物件があります。新築の場合、設置されている設備が最新のものであることが多いため、生活する上での利便性が高まります。また、税金面のメリットを受けやすいのも新築の魅力です。
■メリット
- 建物の構造が最新なので地震なども安心
- 設備が最新なので暮らしが快適
- 次の修繕までのサイクルが長いのでゆっくりと修繕費の準備ができる
- 固定資産税、登録免許税、不動産取得税、住宅ローン控除などが受けやすい
■デメリット
- 購入費用が中古よりも高くなる
- 完成した状態を見ないで購入を決断しなくてはいけない
- 居住地を選びづらい
住宅タイプ4.中古
一戸建てやマンションをリーズナブルに購入したい場合は「中古」の購入が理想的です。中古物件は、購入価格が低くなることが多いため、資金の準備や返済が楽になります。■メリット
- 購入価格が新築よりも安い
- 現物を見て購入を決められる
- 複数の候補から選べる
■デメリット
- 物件によっては修繕費用がかかる
- 新築よりも税金面の優遇が小さい
- 物件費用以外に、仲介手数料が発生する
このように住宅タイプは4つに分けることができます。それぞれのメリットとデメリットがあるので、あなたの家族のライフスタイルを元にご家族で相談して決める必要があります。
家族の希望を上手に聞き出しておかないと、優先するべき内容がわからないため、必要以上の費用を使って住宅購入することになりかねません。
家族の希望を実現するためには、どの住宅タイプがぴったりなのかをじっくり話し合っていただきたいと思います。ここがマイホーム購入のスタートラインだといえます。
マイホームに重要な資金計画とは
住宅タイプの次に検討しておきたいのが資金計画です。「買えば何とかなるだろう」という人もいらっしゃるようですが、これでは今後の生活に不安が残ります。きちんと計画を立てることで、ご自身やご家族の不安を解消するようにしておきましょう。
(1)毎月の返済額
住宅を購入するとき、多くの方は住宅ローンを活用します。住宅ローンでは、返済が20年〜30年と長くなるため、今現在の視点だけではなく長期的な視点でプランを考えておかなくてはなりません。特に毎月の負担となるローン返済額は、家計や積み立てなどを考慮し、無理をしない返済額を見つける必要があります。
例えば、現在は夫婦二人の共働きだったとしても、お子さんが誕生することで、ご夫婦の働き方が変化する可能性もありますし、暮らし方の変化によって毎月の収入にも変化が出てくる可能性もあります。
このように将来を少しイメージすると、自分たちの返済額が今のままで継続できるのかどうかわかるので、できるだけ具体的なライフイベントを想定しておきましょう。
(2)ボーナス時加算
返済の中にボーナス時加算があります。これを利用するかどうかは、慎重に検討しましょう。今はボーナスが支給されているが支給され続けるのか、転職する可能性があるのか、といったことも考えておきたいところです。
(3)金利
金利に関しては、変動型や固定型(期間選択や全期間など)があります。市場によって金利のメリットとデメリットは変化するので、住宅ローンを相談するとき、慎重に見極めるようにしましょう。金利に関しては判断が難しいことも多いため、できるならファイナンシャルプランナーに相談しておくと仕組みや理屈がわかるので見極めやすくなります。
(4)返済期間
理想は定年までに返済完了することです。そのため、年齢が進むにつれて返済期間は短くなると覚えておきましょう。30歳で借り入れを行った場合だと、約35年の返済期間を考えることができますが、45歳で借り入れを行ったとすると約20年で返済しなくてはいけなくなります。この10年は非常に大きな違いです。
(5)住宅資金の準備目安
住宅資金は、次の2つが最低限必要になります。- 購入に必要な諸費用
- 頭金
頭金は、一般的に購入する住宅の2割以上が目安といわれています。頭金が多ければ借入金を少なくできるため、返済期間を短くするか、返済金額を少なくすることができますので、家族の返済負担が減っていきます。
自己資金の準備方法
大きく分けると次の3つがあります。- 積立定期預金
- 財形住宅貯蓄
- 親族からの援助
(1)積立定期預金
積立定期預金は、毎月一定額を自動で定期預金口座へ振り替えて貯めるものです。これから5年後、10年後に住宅購入を検討されている方でしたら、今から始めていただくことで自己資金を無理なく準備することができます。(2)財形住宅貯蓄
勤務先に財形貯蓄制度があれば利用できるのが、財形住宅貯蓄です。給与や賞与から自動的に定額を天引きし貯蓄するため、安定して資金準備できます。5年後くらいを目処に住宅購入を考えておられる方にオススメです。(3)親族からの援助
今すぐ(できれば1年以内に)資金準備をしたい。積み立てや財形をしているけれど、なかなか思うように資金が貯まらない。このような場合は親族(特に「親」)から援助してもらう方法もあります。ただ、親族といってもお金の問題は後々トラブルの原因になる可能性もあるので、慎重に決めていただきたいところです。
マイホーム購入は計画的に!
マイホーム購入は資金計画をきちんとしておかないと、住宅を購入してから余裕のない暮らしを経験することにもなりかねません。少し長い目でライフイベントを考え、住宅購入後にお金が必要になるタイミングや金額を整理しておいてください。
購入前に自分たち家族が無理なく返済できる金額や期間を見極めておきましょう。また、できるだけ頭金を充実させることで返済の負担を軽減できるので、どのような準備の方法が自分たちに合っているのかをご家族で検討していきましょう。
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