吹き抜けがある間取りにする前に! 吹き抜けリビングのメリット・デメリットを知ろう 2021.8.17
吹き抜けリビングのある住宅が、本当にあなたの理想の住宅であるかどうかは、吹き抜けを間取りにいれる前に多くの注文住宅の事例を確認し、メリットとデメリットをしっかりと理解することが大切です。
「憧れてたから、吹き抜けリビングを取り入れた注文住宅にしてみたけど、思っていたのと違った」と、後悔しないためにも、この記事では実際に吹き抜けリビングを設けた場合、どのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。
吹き抜けリビングのメリット
早速メリットについてみていきましょう。吹き抜けリビングのメリットとして挙げられるのは、主に次の4つです。
- 敷地が狭くても広さを感じる空間にできる
- 太陽光を取り込むことで空間が明るくなる
- 家族の様子が確認しやすくなる
- 広い空間によってオシャレ感を演出できる
メリット1.敷地が狭くても広さを感じる空間にできる
吹き抜けリビングの最大のメリットは、開放的な部屋(空間)を作れることです。吹き抜けリビングを作ることで、1階の天井や2階の床を設ける必要がなくなります。その結果、天井が高くなり、視覚的に広々とした空間を作ることができます。
吹き抜けリビングの「開放的で広く感じる」というメリットは、リビングの敷地面積が狭い場合でも圧迫感がなく、広々としたリビングになる効果もあります。
メリット2.太陽光を取り込むことで空間が明るくなる
家づくりにおいて大きな問題は、採光をいかに住宅内へ取り入れるかです。吹き抜けリビングの場合、上の階に窓を設置することで採光を住宅に取り込むのが基本となります。隣地の建物が自宅と近く、明るさの確保が難しいといったケースでも、上からの斜光を取り込むことで、自然と室内が明るくさせることができます。
また人が太陽光を浴びることは、様々な健康的効果があるといわれています。そのひとつが、太陽光にはビタミンDの生成を助ける働きが期待できることです。
ビタミンDは、主にカルシウムの吸収をサポートするビタミンです。ビタミンDには血液中のカルシウム濃度を一定に保つ働きがあり、その働きにより食物に含まれるカルシウムの吸収の促進や骨量維持の促進が期待されているという報告があります。
参考)体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2013/20130830/20130830.html
人間の体にとって重要なビタミンDは、もちろん食物から摂取することが可能ですが、太陽の光を浴びることで活性化するとされています。
他にも日光を浴びるメリットはいくつかあるため、気になる方は是非詳細をチェックしてみてください!
メリット3.家族の様子が確認しやすくなる
吹き抜けリビングがある家は、1階と2階がつながっているため、階段を降りなくても2階と1階で会話ができたりと1階と2階同士でのコミュニケーションが取りやすくなります。また、1階から2階の廊下を確認できるような吹き抜けの構造であれば、子どもたちが廊下で遊んでいる様子が見えるので、家族の様子が確認しやすくなります。
このようにどの場所からでもコミュニケーションが取りやすいため、家族間の会話が増えることを期待できます。
また、家の中で常に家族の気配を感じられるのも大きな特徴です。
メリット4.広い空間によってオシャレ感を演出できる
吹き抜けリビングによってできた広い空間によってオシャレ感がぐっと上がりますが、インテリアにこだわることでさらにデザイン性をあげることができます。例えば、天井からおしゃれな照明を吊したり、2階に続く階段の壁を本棚などにして見せる収納にしたり、自分が望む雰囲気をもった部屋に作り上げることも可能です。吹き抜けリビングは洋室だけではなく、和室にも合わせることできるので、部屋のタイプに縛られずに設けられます。
吹き抜けのデメリット
続いて、吹き抜けリビングのデメリットについて確認していきましょう。吹き抜けリビングのデメリットとして挙げられるのは、次の4つです。- 光熱費が高くなる
- メンテナンスに手間がかかる
- 2階のスペースが狭くなる
- 音やにおいが伝わりやすい
デメリット1.光熱費が高くなる
吹き抜けリビングのある家は、採光が取り入れやすいため部屋が明るくなるので、照明器具などでかかる電気代を節約できる場合が多いです。しかし、部屋の空間が広くなる分、エアコンなどの空調家電を使用する場合は、長い時間稼働させなければ部屋を暖めたり、冷やしたりすることが難しい場合があります。
暖かい空気は上にいく性質があるため、寒い季節では吹き抜けの空間から暖かい空気が2階に上ってしまい、1階はなかなか暖まらないといった状況になりやすいです。一方暑い季節は、吹き抜け特融の2階の窓からの日差しが1階まで届き、住宅内全体が暑くなってしまいがち、ということもあります。そのため、必然的に空調機器の使用時間が増え、光熱費が高くなる恐れがあるということです。
対策方法
対策方法としては、住宅内の空気を循環させるためにシーリングファンやサーキュレーターを活用することがまず挙げられます。サーキュレーターは、小さい羽を早く回すことで強い風を出せますが、その分音が大きくなるので、吹き抜けリビングには羽をゆっくりと回すシーリングファンが向いています。夏場は下向き、冬場は上向き送風にすることで空気が循環しやすくなります。他にも、建物自体を断熱性を高め、外気温の影響をうけづらい家にすると良いでしょう。
デメリット2.メンテナンスに手間がかかる
窓や照明の掃除や電球交換などのメンテナンスに、手間がかかることもデメリットに挙げられます。吹き抜けリビングは天井が高いこともあり、照明の位置が高くなりやすいです。天井に埋め込まれたダウンライトや高い位置にあるペンダントライトを吹き抜けに設置している場合には、電球交換の際に手間がかかります。
それほど高さがなければ、はしごや脚立を使って交換することもできますが、それ以上の高さであれば自力での交換は難しいでしょう。また窓も同様で、ガラスやサッシの汚れを掃除するにはなかなか手間がかかります。
対策方法
対策方法としては、LEDライトを使用して交換頻度を少なくしたり、設計・施工会社に相談をして電球交換がしやすいようしてもらいましょう。窓などの掃除は、通常であれば手の届く位置に窓があるため、いつでも簡単に掃除をすることができます。一方で、吹き抜けをつけた場合には窓が高い位置にあるため、簡単に掃除をすることができません。
全面ガラス張りの窓や高い位置にある窓を掃除するためには、専門の清掃業者にお願いをしなければいけないでしょう。
吹き抜けを設けた間取りにしたい方は、事前にどういったメンテナンス方法が必要なのか考えておいたほうが良いでしょう。
デメリット3.2階のスペースが狭くなる
吹き抜けリビングを作ることで2階のスペースが狭くなってしまう点も、吹き抜けのデメリットになります。本来であれば部屋になる部分を吹き抜けにするので、どうしても2階のスペースにしわ寄せがいってしまうケースがあります。そのため、家族の人数が多く2階にいくつかの部屋を作る必要がある場合や、各部屋の広さにゆとりを持たせたい場合などは、吹き抜けとあまり相性が良くないケースといえます。
対策方法
対策方法としては、家ができてから後悔しないためにも、設計時にどれくらいの部屋数になるのか、収納スペースはどのくらい必要なのか、といった点を必ず確認するようにしてください。また、吹き抜けは床面積には入りませんが、吹き抜けを作るのに費用はかかるので、吹き抜けのある家は坪単価は上がってしまう傾向があります。
デメリット4.音やにおいが伝わりやすい
家族の気配を感じることができるのは、吹き抜けリビングのある家のメリットですが、逆にいうと、どこにいても生活音が聞こえやすくなってしまうということにもなります。勉強に集中したくても下の階のテレビ音や会話が聞こえてしまうなど、プライベート空間の確保は、通常の家に比べると難しいでしょう。また音と同様に料理などのにおいも届きやすくなります。対策方法
これは吹き抜けリビングの特性上、仕方がないものですが、対策方法としては音を響きにくくする吸音材を設置したり、においが広がるのを防ぐ換気扇を設置することで、音やにおいが広がるのを防げます。吹き抜けを作るときのポイント
これまで、吹き抜けリビングのメリットとデメリットをみてきました。
実際に吹き抜けを作るとなると、デメリットをカバーし、より良い暮らしができるようにしていきたいですよね。
そこで次に吹き抜けリビングを作るときの5つのポイントをご紹介します。
■大きさ
吹き抜けを作ると決めたら、吹き抜けを最大限に活かすためにも思い切って吹き抜けを作ることをオススメします。スペースを気にして吹き抜けを小さくしてしまうと開放感がなく、光を上手く取り入れることができないなど、メリットを潰してしまう場合があります。
■形
吹き抜けは基本、正方形や長方形といった四角形がメジャーです。形を崩してしまうと、下から見上げたときの見栄えも悪くなってしまいます。■位置
吹き抜けの位置も重要なポイントです。土地の状況や周囲の建物によっても変わってはきますが、一番光を取り入れやすい南側に吹き抜けを作ることが一般的です。ただ南側は隣地の住宅と距離が近いために採光が取れない場合は、確実に光が入る方角に設置する必要があります。このように状況次第では大きく変わってきてしまう可能性もあるので、必ず設計士さんと相談することをオススメします。
■場所
吹き抜けを作る場所について、1番良いといわれているのがリビングです。それぞれご家庭のライフスタイルによってもちろん変わってきますが、「お家の中で一番明るくしたい」「開放感を持たせたい」と思う場所に作るのがオススメです。リビングはお家の中でも一番日の当たる場所に配置することが多いため、吹き抜けを配置しやすいことも理由に挙げられます。
ここまでリビングに吹き抜けを設けることが前提でしたが、もちろんリビング以外でも吹き抜けを取り入れることは可能です。場所としては玄関に作りたい方も多いようです。玄関に設置すると玄関に入ったとき、明るく開放的な空間を感じることができます。
■住宅性能
「デメリット1.光熱費が高くなる」でも触れたように、住宅性能(高気密高断熱)は吹き抜けのある家にとってとても重要なポイントになります。屋根や外壁に断熱材を施すことで、外気の寒さや暑さを住宅内に伝えにくい状態にすることができます。他にも断熱性が高いサッシやガラスもあるので、断熱性が弱くなりやすい窓に大きな効果があります。
以上が吹き抜けを作るときの5つのポイントです。
これだけが全てというわけではありません。実際に検討する際は、設計士さんと相談することをオススメします。
吹き抜けがいるかどうかはプロのアドバイスを!
新築住宅を建てる上で、吹き抜けのある家にするかどうかは、ご家族の間でも意見の分かれるポイントです。今回の記事でご紹介したように、吹き抜けにはメリットがある一方で、デメリットも存在します。吹き抜けのある家にするかどうかは、メリット・デメリットを踏まえた上で、「自分たちの家に必要か?」「デメリットへの対策はできるか?」をご家族としっかり話し合うことが大切です。
「プロの意見が欲しい!」「設計士のアドバイスをもとに吹き抜けを設けるかどうか決めたい!」という方は、是非一度、日本住宅ツーバイにご相談ください!
数多くの吹き抜けを設置した注文住宅の設計を担当してきた設計士が、あなたのお話を伺わせていただきます。
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