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【対策は窓と断熱性能】戸建ては寒い?の理由と対策ポイントについて 2023.2.17


「マイホームの購入をマンションにするか、戸建てにするか」

この選択肢には様々な検討材料がありますが、その一つでよく言われているのが「戸建ては寒い」ということです。

マンション住みから戸建て、戸建てからマンションに住み替えた方が、「“マンションのほうが暖かい”と実感した」というのはよく聞く話でしょう。

冬は暖かい家が良いと希望を持つ施主様にとっては、戸建てが寒い話を聞くと「じゃあマンションがいいな」と感じるかもしれませんね。

しかし、戸建てでも寒さに強い家を建てることは可能です。

今回は、そもそもなぜ戸建てのほうが寒いと言われるのかの原因についてや、寒さに強い戸建てを建てるにはどういったことに注目すればいいのか、をご紹介していきます。


なぜ戸建てが寒いと言われるのか

“戸建てが寒い”と言われる主な理由は、構造による気密の違い・間取り・外気と触れる面積の差の3点です。


理由1.構造

理由の一つ目は、構造の違いによる気密の差です。

マンション RC構造、SRC構造といった鉄筋・鉄骨・コンクリートを使用
戸建て 主に木造であり木材を使用

一般的にマンションと戸建て(木造)では、使用している材料が異なります。材料が異なると大きく影響してくるのが、“気密性能”です。

気密とは
外と内での空気の出入りをさせないようにすることを指しています。そのため、住宅における気密が良い悪いとは、いかに室外と室内で空気の出入り=すき間が少ないか多いのか、ということになります。

マンションで主に採用されている鉄筋コンクリート造(RC造)だと、すき間ができにくく気密性が高いと言われています。また、コンクリートには蓄熱性があるので、より寒さに強い空間が出来上がります。

一方、木造戸建てで使用される木材は、時間が経つにつれて木材の反りや縮みが生じてすき間ができやすいです。また、蓄熱性の視点からみればコンクリートより劣ります。

理由2.間取り

2点目は、間取りです。

マンションは扉などから空気の出入りはあるものの、基本ワンフロアであることから、暖房が効きやすくあります。

戸建ての場合、2階建て以上の階数であることがほとんどですが、1階や2階のLDKのエアコンで暖めた空気が、扉や吹き抜けなどから別の階に流れ込み、LDKがなかなか暖まらず寒いままということも。

間取り問題は工夫次第で解決可能

LDKが吹き抜けになっている場合は、シーリングファンなどを取り付けることで暖かい空気を循環させると空間全体が暖かくなりやすいです。またリビング階段でも、扉をつけることで暖かい空気が他の階に流れ込まないような工夫もあります。

日本住宅ツーバイの分譲住宅ブランド“J style garden”でもシーリングファンやリビング階段の扉など、様々な工夫を取り入れています。


理由3.外気に触れる外壁と窓の面積

外気の温度がそのまま室内に伝わるわけではないものの、マンションに比べ、戸建てのほうが外気に降れる面積が広く、寒さの影響を受けやすくなったりします。

また、マンションよりも窓の数が多かったり窓の面積が広いと、そこから室内の熱が外に逃げたり、外からの寒さからの影響を受けやすくなります。

構造・間取り・外気と触れる面積 この3点が「戸建てが寒い」と言われる主な理由です。


これから建てるなら断熱性能にも注目

これから戸建てを建てられる予定である方で、「冬は暖かい家にしたい」と考えているならば、断熱性能と気密性能に注目してみてください!

気密性能は先ほど触れましたが、詳しくは次の記事を読んでみてください。


ここでは断熱性能についてみていきます。


断熱性が高いとは

先ほどから登場している住宅における“断熱性”とは、外の気温や太陽光からの熱を室内に伝えづらくする性能のことを指します。

断熱性が高いと、外気温が室内に伝わりづらく、冬は暖かくなるだけではなく、夏は涼しい家にもなりやすいということです。

断熱性能を判断するには

断熱性能の高さを判断するためには、UA値を使います。

UA値は外皮平均熱貫流率ともいい、家の内と外で気温が1度差のとき、窓や外壁などの外皮1㎡から熱がどのくらい逃げるのか、を示す値です。

UA値の基準となる数値が、ZEH基準です。

ZEH基準では、UA値が0.6以下であることが条件となっており、0.6をUA値が下回ることができれば、断熱性能が高いと言えるでしょう。

断熱性能を高めるには

断熱性能を高めるには、窓の能力が大きく影響してきます。また、断熱材も重要なポイントです。

断熱材には多くの種類があり、それぞれによって性能や価格が異なります。

それぞれの断熱材の性能については、次の記事を参考にしてみてください。


UA値は計算値であり計測値ではない

ここまでUA値について触れてきましたが、注意していただきたいことは、UA値はあくまで計算値であり、実測値ではないということです。

というのも、UA値はその住宅の断熱性能を測る基準にはなりますが、家を建てる前の設計時でも求められる数値です。

建築完了後に実際の住宅で計測して分かる数値ではないことは、理解しておいてください。

実測値で住宅性能を判断していきたいならば、気密性能=C値(相当すき間面積)をみることをオススメします。

C値であれば、実際に住宅内でイメージ図のような機械を使用して計測を行っています。ただC値はどの工務店やハウスメーカーでも計測しているわけではないので注意が必要です。



断熱性能のポイントは窓

弊社のYKK様の窓サッシ・ガラスの展示物


「戸建ては寒い」と言われる理由で挙げた、“構造・間取り・外気と触れる面積”の3点は、戸建てという選択肢を取った場合、基本的に避けることができません。

戸建てといっても様々な構造がありますが、木造である以上、木材を使用することには変わりませんし、間取りも工夫できることはありますが、ワンフロア=平屋にするにはそれ相当の土地面積が必要になります。また、外気と触れる外壁も、戸建てでは減らすことができません。

では、暖かい家を求めている方にとって、戸建てをマイホームとして住むことがオススメできないのか、というとそんなことは決してありません。

木造戸建てでも必要なポイントを抑えれば、“冬でも暖かい家”を実現することは可能です。

そのポイントの一つとして挙げられるのが、です。

窓といっても、窓サッシ・窓ガラスの2つの視点から考えられます。

窓サッシ

窓サッシの主な種類としては、アルミ窓、樹脂窓、アルミ樹脂複合窓(室外がアルミで室内が樹脂)の3種類あり、樹脂窓の要素が多いほど、外気からの断熱性能は高くなります。

窓ガラス

窓ガラスでは、主に単板ガラス・複層ガラス・トリプルガラスに分けられ、それらの中でLow-E複層ガラスや強化ガラスといった機能性が追加されたタイプがいくつか存在しています。


断熱性能からみれば、単板ガラス・複層ガラス・Low-E複層ガラス・トリプルガラスの順番で断熱性能が高まっていきます。

断熱性能は単に寒さをしのぐ機能ではありません。夏の暑い時期には、外気の暑さを室内に伝えにくくする機能もあるため、夏の涼しい家にも貢献します。

実際の家づくりでは、断熱性能だけではなく、防火面や防犯性など様々な角度から窓サッシ・窓ガラスを検討することになりますが、窓から熱が逃げやすく熱の影響を受けやすいことはぜひ覚えておいてください。

また、新築戸建てだけではなく、リフォームで窓を取り替えて断熱性能を上げることで、寒さに強い家に近づく方法もあります。

戸建てだから寒さは仕方がない、と諦めることなく、窓のことも含めて様々な対策をぜひ検討してみてください。もし、リフォームに関して検討している方がいたら、一度日本住宅ツーバイにご相談いただければ、最適なプランをご提案させていただきます。



戸建て(木造)の寒さは対策できる

ここまで戸建てが寒いと言われる理由やその対策についてご紹介してきました。

「寒いのが嫌だからマンションがいいな」と考えるのは、マイホーム購入でマンション選ぶ理由のひとつとして成り立ちます。

しかし、戸建てが寒く感じる理由には対策が取れて、その対策は寒さだけではなく暑い時期の対策にも繋がったり、省エネにも繋がることをぜひ覚えておいてほしいです。

日本住宅ツーバイでは、「冬は暖かく夏は涼しい家」を体感できるモデルハウスを神奈川県大和市南林間に建設しました。

今回ご紹介した断熱性能や気密性能、断熱材も含めた様々な家づくりのアイディアが詰まったモデルハウスとなっています。

実際に肌で感じないとわからないことを、ぜひ南林間モデルハウスで体感しませんか?