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注文住宅の価格交渉はオススメしない!その理由とコストダウンの方法を解説 2021.7.26

注文住宅で家を購入しようと考えている方のほとんどは、購入費用についてシビアに考えているでしょう。住宅は高価な買い物なので、「予算よりも購入額を抑えるために価格交渉をしておきたい」と考えるのは自然なことです。

今回は、注文住宅で家を購入する際に悩みやすい「注文住宅は価格交渉できるのか」と「無理な値引きによる問題」、そして良い住宅を手に入れていただくために大切な「コストダウン」について解説していきます。


注文住宅は価格交渉できるのか

注文住宅は価格の交渉ができるかどうかの前に、まずは住宅の種類についてお話させていただきます。というのも、住宅の種類によって価格交渉できるかどうかが変わってくるからです。


(1)住宅の種類を知る

まず、覚えておいていただきたいことは、あなたが購入しようとされている住宅は、どのタイプなのかということです。

まずは、大きな分け方として注文住宅建売住宅があります。

この2つのうち、どちらなのかを明確にしておきましょう。

そしてはじめての家づくりでは、注文住宅と建売住宅の違いを理解されていない方もいらっしゃいますので、ここで簡単に違いについて触れておきます。


■注文住宅
注文住宅というと、購入者であり施主様となる“あなた”が設計の段階から参加し、ご自身が建てたい家のイメージを明確にしつつ、設計事務所や工務店などと打ち合わせを進めていく方法です。

この方法で建築される住宅は、間取りや外観、使用する木材なども含めて、施主様の意向を取り入れることができる、多くの方がもつ住宅購入の形です。

対して注文住宅と似ているのが「建売住宅」です。こちらは同じ戸建て住宅であっても、注文住宅とは異なる住宅購入の形です。


■建売住宅
建売住宅の場合、基本的には土地と家がセットで販売されています。また、すでに住宅部分が完成している状態で販売されているため、購入者の意向を多く取り入れることはできません。

ただし、最近では限りなく建売住宅でありながら、あなたの意向をこれまでよりも取り入れられる注文住宅のようなタイプも出ています。


(2)注文住宅か建売住宅によって価格交渉ができるか変わる

注文住宅と建売住宅ですが、どちらを選ぶかによって価格交渉ができるかどうか変わってきます。

一般的には建売住宅の方は、価格交渉がしやすいといえます。そのため予算ギリギリで何とか購入しようと思われるのなら、建売住宅という選択肢で価格交渉を行い、予定よりも少し安い価格で、ちょっとグレードの高い住宅を手に入れることもできなくありません。

一方、注文住宅の方は、価格交渉がなかなか難しいです。どちらかというと、価格交渉や値引きは「ほぼ無理」というのが現実です。

実際に日本住宅ツーバイでは、注文住宅において値引きといった価格交渉は行ってはいませんが、建売住宅では価格交渉するというケースは多くあります。

では、どうして注文住宅は価格交渉や値引きが難しいのでしょう。


注文住宅の価格交渉はオススメできない理由

注文住宅の購入を考えておられるのなら、価格交渉がオススメできない理由を知っておいていただけると後悔されることも減るでしょう。


(1)注文住宅の価格交渉が難しい理由

まず建売住宅は「すでに住宅が完成している」状態で購入します。そのため、すでに住宅の原価(建てたときにかかった費用)が明確にわかっています。原価がわかっていることと、家が完成しているため仮に値引きをしても住宅性能に変化がないことの2つによって、販売会社が損をしないギリギリの値段までなら相談することができます。

完成から一定期間が過ぎても売れない住宅なら、大幅な値引きもあり得ます。

一方、注文住宅の場合は費用が決まる契約段階では住宅は完成していません。そのため、あなたの意向を取り入れて設計し、どれくらいの費用が必要になるのか見積もった後に値引きをすると、使用される建材などの品質を動かすことで、値引き分の対処をしなくてはいけなくなります。

例えば、3000万円必要な注文住宅を値切ることで2000万円にしたとすると(実際には無理ですが)、1000万円分価格を下げるために建材などの品質を下げる必要が出てきます。

建材などの品質が当初よりも下がってしまうと、住宅性能にも影響しますし、住宅の見た目にも影響してきます。


(2)無理に交渉しすぎると危険ワケ

これは注文住宅の仕事を請け負った会社によりますが、どの業界でも悪質な業者というものはいるものです。

もし、悪質な業者に依頼して値引き交渉してしまうと、建材の品質が悪いばかりか、値引き分の仕事を何とか帳尻合わせするため手抜き工事をしてしまう可能性も出てきます。

「ちょっと無理な値引き交渉をしたけれど、すんなりOKになったな」と思われる場合、これは業者に対しての要注意信号だと考えてください。

注文住宅の場合、お見積もりからそのままの設計やご意向を保ったまま、大きな値引きをすることは本当に難しいものです。

でも、それを「すんなり」OKにする業者ということは、手抜き工事を考えているのか、品質の良くない建材を使おうと考えているのか、そもそも値引き交渉がされることを見込んで高く見積もりしていたのか、どれかの可能性があります。

無理な交渉は、危険と後悔を呼び寄せてしまう原因になります。


(3)こんなリスクになることも

値引きOKになったことで、次のようなリスクが発生する可能性もあります。
  • アフターサポートがすべて有償対応
  • 外構を後回しにするプランへ変更したことで、中途半端な家になる

最初から計画的に外構を後回しにしようと思われているのなら、想定どおりなので何の問題もありませんが、外構を含めて考えておられた場合ですと、家の外観が大きく変わりますので残念な気持ちになってしまうこともあります。


値引き交渉よりもコストダウンの方法を知る

注文住宅を購入される場合、大きな値引き交渉はリスクが伴います。そのため、値引きよりも予算に合わせてコストダウンを選ぶ方が賢明です。

そのためには、今では常識になっている「複数業者から見積もりを取りましょう」ということです。業者によって、使用する建材や工事の方法、経験や技術の違いから価格が変わってきます。

費用差が多い場合ですと、業者同士の見積金額が1割程度違うこともあります。

複数業者への見積もり依頼は、打ち合わせが面倒ではありますが、重要な費用を決める部分でもありますので、腰を落ち着けて行っていただきたいと思います。


どうしても価格交渉したい場合

「でも、価格交渉はしておきたい」という場合、次の3つのタイミングで交渉してみましょう。


(1)必ず守るタイミング

必ず契約書を交わす前に価格交渉しておきましょう。契約書を交わした後から価格交渉しても、良い結果になることはありません。


(2)キャンペーン

業者によっては年に数回「キャンペーン」を行っているところもあります。キャンペーンがあるのなら利用させてもらいましょう。


(3)仲介会社を選ぶとき

注文住宅のプラン(間取り)や建築を依頼する工務店やハウスメーカーを選ぶ際、いくつか方法がありますが、そのひとつに仲介会社から紹介をしてもらう方法があります。

自ら工務店やハウスメーカーを調べるという手間が省けるため、施主様としては非常に便利になります。

しかし、仲介会社を利用するということは、仲介手数料が発生するということでもあります。金額は土地の坪数によりますが、それなりの金額にはなるはずなので、工務店探しを自らして手数料分を浮かす方法もあります。


納得できる注文住宅はプラン重視が正解!

注文住宅の場合、価格交渉をするよりも予算に合わせたプラン内容を重視しておきましょう。

これから長く暮らす場所ですから、納得のいく品質、外観、費用の住宅を手に入れることが大切です。

そのためには、安易に値引きに応じる業者よりも、最初から適正価格で提案してくれる業者を選ぶことをオススメします。


見出しが入ります注文住宅の価格交渉はオススメしない

注文住宅の価格交渉は「できない」ワケではありません。でも、あまりオススメできることではありません。

また、安易に値引き交渉に応じる業者よりも、予算に合わせた適正なプランを提案してくれる業者の方が信頼感や安心感も高いといえます。

住宅は建てるよりも暮らす期間の方が長いものです。毎日快適に暮らせる住宅を手に入れるためにも、値引きよりも予算に合わせたプランを重視してください。